技術職座談会

技術職のトビラを開く

技術職って、どういうことをして、どんな人が働いている?
技術部に所属する5名の社員が語る、アリサワの仕事とは。

MEMBER

  • 出口
    出口
    電子材料製造技術部
    入社20年目
  • 梅澤
    梅澤
    光学材料技術部
    入社12年目
  • 高野
    高野
    電子材料技術部
    入社1年目
  • 稲田
    稲田
    電絶複合材料技術部
    入社2年目
  • 吉川
    吉川
    電子材料技術部
    入社12年目

Question 01

今のお仕事について
教えてください

座談会
出口:
ではまず、わかりやすく説明しましょうか。市場にない全く新しいものをつくり上げるのが技術部で、その技術部が研究・開発したものを世に出す、モノづくりをしていくグループが製造部になります。私の所属する製造技術は、技術部と製造部の橋渡し役。技術部の知見も聞きながら、モノづくりの過程で出てくる製造部の意見やトラブルなどを一緒に解決していきます。私の仕事は生産性の改善で、いかに品質を担保しながら効率を上げていくかを考えています。
吉川:
私は電子材料技術部所属です。電子材料にも色々ありますが、当社の主力製品であるフレキシブルプリント基板(FPC)の材料開発を行っている部署で、私の担当はその中の一つ、接着剤シートの開発です。FPCはスマホのような小型の電子機器の中にある装置同士をつなぐ電子回路基板ですが、その中で接着剤シートは回路保護や何層にも重ねる為に必要不可欠な材料です。近年、5Gに対応したFPCが求められており、そうした特性を付与する開発もしています。
高野:
私は入社1年目で、パソコンやスマホの基板を作っている、吉川さんと同じグループ所属です。基板に使われている樹脂に低誘電のポリイミドという樹脂があり、その重合実験や開発が主な担当です。配属されて3か月で職場には慣れてきましたが、仕事を覚えるにはもう一歩。今はまだ2割くらいかな(笑)。
梅澤:
私の所属はディスプレイ関係の部材の開発を担当する、光学材料技術部です。私は医療用の立体ディスプレイの設計開発をしています。私たちの部署は少数精鋭で、私たちの製品を担当する製造技術部が存在しないので、技術部と製造技術部を兼ねた部署。お客様からのご要望をヒヤリングして最適な設計・提案を行い、それを試作し評価を経て、量産につなげたプロセスの検討やその後のお客様へのアフターフォローまでを包括的に担当します。
稲田:
私のいる電絶複合材料技術部では、例えば航空機材料や水処理用パイプなど、樹脂と炭素繊維やガラス繊維を複合させた製品を扱っています。私は水処理用パイプの開発を担当しています。製造拠点は日本でも製造していますが主にアメリカ、スペインの子会社のため、英語を使う機会が多い部署です。もちろん、国内向けの開発もしています。今の部署に異動してまだ3か月。高野さんと同様に、私もまだまだ見習いの段階です。

Question 02

入社のきっかけは?

座談会
梅澤:
私は、大学は県外ですが出身が上越市。地元就職を考えていて、東京で行われた新潟の企業の合同説明会に参加したんです。そこで有沢の人事部の担当者と意気投合、色々盛り上がった(笑)。その方も上越出身で「地元の企業を盛り立てて地域貢献しましょうよ」と。有沢はFPCの世界的なシェアが大きく、地元の田舎で世界を相手にこれほど活躍している企業があるんだと知り、ぜひここで働きたいと志望しました。
吉川:
私は実家のある上越に戻っての中途入社です。前職も化学系で、有沢は以前から名前を聞いていた企業ですし、リーマンショックの中、求人が出ていて幸運でした。前職は同じ化学系でも基礎研究が中心でしたが、有沢は例えばスマホなど開発製品が暮らしの中に生かされるところもあって、そこにとても魅力を感じました。
出口:
私は2001年入社で、就職氷河期と言われる時代でした。とはいえ求人は色々あって、自分が学んできた化学を活かしたいと考えていました。当時、有沢に就職した大学のOBが大学の研究室に遊びに来て、職場のことをよく話してくれたんです。「化学を使って自分で新しいモノをつくるんだよ」と聞いて面白そうだと思ったし、自分の知識も活かせるのかな、と。
高野:
私は県外からです。有沢に決めたと周りに話したときは「なんで新潟なの?」って言うし、新潟に来たら「なんでわざわざ新潟に来たの」と言うし(笑)、そんなに変かなと思うんですけど。
出口:
地元はどこ? 神奈川? 大都会じゃない、なんでここに!?(笑)。
高野:
意外と栄えてるな、という印象ですよ、上越は(笑)。私は満員電車に乗っての通勤が嫌で、地元からも離れてみたかったんです。でもあんまり辺鄙(へんぴ)なところにも抵抗があって、ここは地方都市だし会社も工場や研究所が上越市内か県内なので、異動もほぼないし。それに私は学部卒ですが、大学院卒でなくても研究職に就けるという有沢の求人に大きな魅力を感じました。
稲田:
私は新潟市出身で、有沢を知ったのは大学の学部生の時です。地元の銀行の『上越市の企業を巡ろう』という企画に参加して、上越で化学を扱う企業があるんだなと認識しました。漠然と「化学に携わりたい」という思いで選んだ道ですが、今は3DCADで設計に関わるような機械的な仕事も増えています。そういう新たな要素も面白いんですよね。
出口:
二人とも若いのに、志が高くていいね!(笑)。

Question 03

「実はこんなものにも
使われていた有沢製品」
というのはある?

座談会
出口:
昔、プラズマテレビというのがあり、そのガラス画面の表面に、蛍光灯の光を映り込ませないための反射防止フィルムが張ってあったんです。人には気づかれないけど誰もが目にしているモノに使われているんだと、入社してから驚きました。あとはこれもずいぶん前のことだけど、スノーボードの芯材をつくっていた時があって、有沢はスポーツにも関わっているんだと感動でした。
吉川:
そう、スポーツ! 私は卓球のラケットにもうちの製品が使われているということを最近知りました。電子機器を扱う部署の私からみると、卓球のラケットにも取り組んでいるなんて非常に幅の広い会社だなと、びっくり(笑)。
稲田:
ラケットの、木があって、有沢の素材があって、ラバーがあって。本体の見えないところですよね。
梅澤:
卓球が好きで、ラケットに有沢の部材が使われていることに興味を持って入社してきた新人がいるんですよね(笑)。そういう就活エピソードも、すごいと思う。私は自分の部署の立体ディスプレイが、医療用途に使われていることに驚きました。患者さんのお腹の中を、ディスプレイで立体的に見ながら手術をするんです。立体ディスプレイというと一時期、色んなテレビメーカーが一般家庭向けにつくっていたものですけど、そういうエンタメ系でなく医療関係、健康に携わっているということにも感動がありました。
稲田:
私も感心したのは自部署のものです。海水を淡水に変えたり、上水を真水にして医療用に使ったり、発電所で使うきれいな水を作るためのパイプが、自分の年齢よりも長い間つくられている。私は26才で、パイプはもう40年ほどです(笑)。

Question 04

「〇〇部署のここがすごい!」
と思うこと

座談会
出口:
開発部や技術部、資材部、またコストをはじき出す業務企画部も、各部署がプロなんですよね。その中でも私の仕事と関わりが深い生産技術部の皆さんは、やっぱりすごい。必要な機械や設備を技術部のリクエストに応じて設計してくれますし、日々新しい要望を形にできる生産技術部の力は大きいなと思います。
梅澤:
生産技術さんは本当にかっこいいな。「あそこをああしたいんですよね」というと、何メートルも離れているところから眺めただけで「あれ、1センチこうしたらいいな」とか言うんですよ(笑)。職人肌で良いですよね。基本的には、色んな部署の方と関わりながら協力しあって仕事をするので、しっかり人間関係を築かないとだめ。失敗して怒られることもありますし(笑)。
出口:
「もっと勉強して来いよ」という喝は多々あるよね(笑)。
梅澤:
相手もただ文句を言っているのではなくて、良い製品を世に出すためにとか、私の成長につながることを言ってくれるので。
吉川:
私は新規開発品を工場で試作する時に、上手く行かないことが多々あるんです。そういう時に製造部の皆さんが経験と知識を合わせて解決に導いてくれ、本当に頼りになります。
高野:
私が感動したのは、光学材料技術部。さっき梅澤さんが言ったように、開発から製造までをすべて少人数でやっていて、すごいなと。少量多品種の開発で、他の部署では見たこともないような形の機械やロボットまで使っていて、私には未知の領域でした。
梅澤:
会社全体の売り上げからいうと、一番小さい部門なんだけど。新人からこうやって褒めてもらって、今日はいい酒が飲める(笑)。
稲田:
私は、他部署の設計、計装グループですね。主に機械を動かすためのプログラミングをする部署で、製品をきれいに正確に作るために機械に色々な動作をさせるんですが、パソコンに打ち込むことで実際にモノがつくれる。自分にはできないなと感嘆しました。
出口:
ぱっと見ただけでイメージができちゃうんだろうね。「こう動かせば、こうなる」と。
梅澤:
トラブルがあった時にお願いするんですけど、こっちはどうしたらいいかわからずパニック状態。でもプロは状態を見てすぐに「アレだね」と予想が立つ。本当に頭が下がります。

Question 05

自分の成長を実感した出来事

座談会
高野:
入社して間もないので、やればやるほど、まだまだだなと感じています。くじけそうなときはもちろんありますけど、先輩たちも色々乗り越えていっているのを見ると、自分だけじゃないんだと安心して頑張れます(笑)。
稲田:
私は「PDCAを回すように」と常日ごろから教えられてきました。ものを伝えるときは目的をしっかり話す、その結果はどうだったかエビデンスを言う、次は何をしたいか目標を立てる――そういう意識を持っていくうちに、徐々に自分はこうしたいというアクションが出せるようになりました。
吉川:
電子材料の開発はスピードが求められますが、それに最初、慣れなかったですね。私は33才で転職してきたので、早い段階で成長しなきゃいけないという焦りがありました。同じ転職組の上司にアドバイスを頂き激励され、頭の回転やスピード感を増すために色々考えたし、試しもしました。入社して2、3年経ってようやく回せるようになり、その時、初めて成長を実感しましたね。
梅澤:
当社には「新製品開発賞」という制度があり、開発に携わった製品が量産に結びついて一定の条件を満たすと、利益額の一部を開発者に還元してくれる。私もやっと昨年、入社11年目で賞を頂け、会社の売り上げに貢献でき、成長できたのかな、と。部署の皆も喜んでくれ、一緒に酒を酌み交わすことができ嬉しかったですね。

Question 06

仕事のやりがい

座談会
稲田:
最近、上司に「この材料を使ってつくってみたい」と提案して、実際にお客様に評価してもらい、反応が良かったものがあるんです。まさに「量産につなげ、会社の売上に貢献できるよう頑張ろう」というやる気に直結しています。
出口:
私は入社して4、5年目の頃、自分の開発した製品が市場に出たんです。テレビの反射防止フィルムを貼ったプラズマディスプレイで、家電量販店で見てすぐに自分がつくったものだとわかった。あれは嬉しかったですね。プラズマテレビが出たばかりの頃で高価でしたけど、速攻で買いました(笑)。今から15年前のことですが、その成功体験がモチベーションにつながっています。
吉川:
開発において様々な目標値がありますが全て達成するにはなかなか難しい。そこを工夫して結果が出た時は嬉しいですよね。
高野:
私は卒研のテーマだったポリイミドを、会社でも研究できて充実しています。ポリイミドの知らなかった一面をたくさん知ることができて面白いし、先輩からも特性を良くするコツを教わりながら取り組んでいます。
梅澤:
私は働く目的のひとつに、社会貢献があります。今、医療用のモニターは用途が少しずつ変わっていて、様々な手術に合わせた設計の変更もあるし、ロボット支援手術も普及してくることで多様に変化する可能性もあります。医療用モニターを通して「人のためになるんだ」という気持ちをモチベーションに、頑張っています。

Question 07

今後の目標

座談会
吉川:
私はまだ新製品開発賞を獲っていないので、獲得して会社の利益に大きく貢献することを目標にして頑張りたいです。お客様が困っていることに対して常にアンテナを張り、それにお応えしたいです。
梅澤:
私は入社して数年、量産化のめどが全く立っていないような基礎的な開発をしていたんです。暗中模索の中で、何度も何度も実験したりして。その〝よくわからない実験〟というのも、研究開発には必要なんですよね。だから今後は極力時間をつくって、面白そうだと思ったことはすぐに実験したい。
高野:
私はまだ先輩の足を引っ張っている状態なので、1日も早く仕事を覚えて、先輩や部署の手足になりたい。そうなってからまた、次の目標ができるのかなと思います。
稲田:
私は、お客様のニーズを汲み取ることが重要課題。他部署の意見も積極的に取り入れて、より効率的にモノをつくりたいです。夢はやっぱり新製品開発賞。私も賞を獲って、皆と美味しいお酒を飲みたいです(笑)。
出口:
私は入社20年目にして、「自分一人で抱え込まない」ことを意識したいと思います。各部署のプロの視点を借りた方が、圧倒的にスピードは速いし精度も高い。これまで以上に良いものができるよう、プロセスを洗い直ししたいです。有沢には定期的な部署異動もあって、自分の未知なる力を試せるところがいいと思う。確かな成長が実感できるから、上を向いていけるんです。