アリサワが紡ぐ技術

創業以来、培ってきた技術力。
世界に誇るアリサワの技術が活躍する
3つの事業を紹介します。

アリサワは、
未来をつかむ挑戦を続ける。

人が夢を描くたびに、新たな技術は生まれ、発展します。1909年、バテンレースという織物製造から始まり、時代の変化とともに技術革新に挑戦し、実現してきました。それは、CIC(創造・革新・挑戦)の理念の下で培った技術力と人間力があるからこそ。社員一人ひとりが、技術で明日の未来を紡ぐため、挑戦をし続けています。

電子材料

  • FPC用材料
    FPC用材料
  • プリント配線板
    プリント配線板
  • スマートフォン・タブレット端末
    スマートフォン・タブレット端末
  • 情報機器
    情報機器
実は、皆さんがよく触れるモノにもアリサワの製品が使われています。情報通信のキーデバイスとなるFPC(フレキシブルプリント配線板)は信頼性が高く、専門メーカートップの実績を誇っています。スマートフォンが薄くなったり通信が早くなったりするのも、技術があってこそなのです。

光学材料

  • 医療用モニター
    医療用モニター
  • 3D材料
    3D材料
  • ディスプレイ材料
    ディスプレイ材料
  • レンズ
    レンズ
アリサワでは、一貫してディスプレイ分野に取り組み続け、フロントスクリーン成形技術からUV成形技術、薄膜コート技術、そして立体画像技術へと領域を拡大してきました。特に立体画像分野では、パイオニア的存在で独自の立体表示パネルを開発。3D医療用モニターやスクリーンなどを開発し、人々の生活に役立つモノづくりを行っています。

電気絶縁材料・産業用構造材料

  • 航空機内装材料
    航空機内装材料
  • 水処理パイプ
    水処理パイプ
  • FRP成形品
    FRP成形品
  • スポーツ分野
    スポーツ分野
華やかな最終製品の陰で、アリサワのテクノロジーが生きています。繊維強化プラスチック(FRP)の特性を活かした様々な製品を生み出し、それらの部材は航空宇宙分野から身近なスポーツ分野まで、生活のさまざまな場面に使用されているのです。あらゆる産業の構造材料にアリサワの技術力が役立っています。

開発ストーリー世界に誇る製品を持つアリサワ。開発は、挑戦の証です。

PROJECT 1成功体験よりも、
新たな製品を生み出す喜びを

電子材料

PROJECT 1成功体験よりも、
新たな製品を生み
出す喜びを
PROJECT1

時代が求めるスペックの変化

 アリサワの主力製品にFPC(フレキシブルプリント配線板)材料があります。FPCは電子機器内部で装置同士をつなぐ回路基板のことを言います。そのFPC材料の一つ、接着剤シートは搭載される回路を保護し、何層にも重ねるために重要な役割を持っています。電子機器の高機能化、小型化には欠かせない存在です。高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムの登場などで、接着剤には「高度な接着能力」と「信号を阻害しない絶縁性」などの高機能が求められる時代になっていました。

挑戦と熱意で生み出した

 電子機器開発の世界は競争が激しく、高機能化に加えて短期間での成果が求められました。原料となる樹脂の配合を調整し、何度も何度も試験を重ねた末に、ようやく接着剤シートが完成。開発に携わる社員の努力が実った瞬間でした。短い期間でも絶対に諦めずに挑み続けたからこそ製品が生まれました。アリサワの接着剤シートは、薄く、柔軟性があるのが特徴で、多機能化するスマートフォンや5Gなどの最先端技術を支えています。
 たとえ、既存の優れた製品があっても現状に満足せず、挑み続けること。過去の成功体験よりも、変化のスピードに順応し、どこよりも早く、どこよりも柔軟に未来へ向かって新たな製品を生み出すことが、アリサワに根付くモノづくりの精神です。

PROJECT 2諦めない心が実現した
医療用モニターという新分野

光学材料

PROJECT 2諦めない心が実現した
医療用モニターという
新分野
PROJECT2

希望から一転、大きな挫折

 多様な立体表示ディスプレイの中でも、液晶ディスプレイに貼り付け、特殊な偏光メガネを通して見ることで、3D鑑賞ができる特殊な光学フィルターの研究開発を行っています。
 2010年に起きた3Dブームをきっかけに、大型テレビ用の光学フィルターの製造を目的に多額の設備投資を行いました。しかし、活路を見出す前にブームは過ぎ去ってしまい、この挑戦は、言わば“暗黒の時代”を迎えることになりました。それでも諦めず、3Dを必要とする分野は必ずあると、別用途の模索を続けました。しかし、一朝一夕で見つかる訳もなく、混沌とした日々が続きました。

ある言葉が切り拓いた活路

 ある時、長いお付き合いのあるお客様からお声がけがありました。「3Dを必要とする新しい分野がありますよ」と。ここがこのプロジェクトの大きな転換期でした。
 詳しく話を聞くと、病院で使用する手術用モニターのことだったのです。近年、病院でのお腹の手術は内視鏡手術が主流で、医師がモニターを見ながら手術をしていました。手術では複数のカメラで患部の位置や高さを判断していたため、3Dと相性が良かったのです。ただ、3D=映像美と考えていたため、間接的にでも人命に係わる医療用としての用途に悩みました。しかし、この開発によって困っている人々に貢献できると考えると同時に、それはアリサワの夢だと気づいたのです。医療用という新しい分野で、3D技術が活かされたのです。
 3Dテレビへの挑戦は失敗に終わり、途中大きな挫折がありました。しかし、諦めないことで医療用という新たな活路を見出すことができました。社会へ貢献し、夢を現実に変える挑戦を続けています。

PROJECT 3変わり続ける時代の
進化を支える

電気絶縁材料・産業用構造材料

PROJECT 3変わり続ける時代の
進化を支える
PROJECT3

“軽量化”の壁

 航空宇宙や自動車など「乗り物や移動するもの」に関わる材料は「軽量化」が重要なキーワードです。2006年に航空機の内装材に採用されたアリサワの軽量化航空機内装材用ハニカムパネルの開発は、苦労の連続でした。当時、航空機の主翼や胴体等の一次構造材はもちろんのこと、内装材のギャレー(厨房)やラバトリー(化粧室)も軽量化しようというニーズがありました。構造材の軽量化と言えば、炭素繊維を用いる事が主流のひとつでしたが、そう簡単には軽量化できず、軽量化の壁は非常に高いものでした。

努力と熱意、アイデアで実現

 この軽量化ハニカムパネルの開発には、「軽量化と強度」、「接着力と難燃性」というふたつが大きな課題でした。普通、軽量化であれば、比重が小さい炭素繊維だけの方が軽くなる、という発想になりやすい。しかし、複合材料ならではの異方性(強度、剛性、伸びが方向性により異なる)の特徴から、炭素繊維だけではカバーしきれない要求特性もあります。早朝からの試作、試験が繰り返し行われる中、課題を解決するきっかけとなる、あるひとつのアイデアが―。それは、繊維構成と樹脂配合でした。
 開発した軽量化ハニカムパネルは、アラミドペーパーハニカムコアに炭素繊維とガラス繊維に開発した熱硬化性樹脂を含浸させた材料をプレス成形したもの。異材質のガラス繊維と組み合わせることで、炭素繊維だけでは実現できなかった「軽量化と強度」が実現できたのです。さらに、「接着力と難燃性」を兼ね備えた樹脂配合を開発し、これら組み合わせ(複合技術)の結果、軽量かつ高強度のハニカムパネルが実現しました。既存品と同等の強度と難燃性を備えながらも約20%の軽量化に成功しました。
 “時代のキーワード“は常に変わり続けています。材料メーカーの発展なくして、新たなモノは生まれません。すべての産業の進化を支えるため、新材料や製品開発に挑み続けています。